内緒で本音ブログ

大人だけどまだまだ大人の階段登りたいです。

人の死1

私は今まで、何人か友達を亡くしている。

 

友達を亡くすまでは、身近な人の死は経験していなかった。

 

その人を亡くすまでは、事故で知り合いだった人が亡くなって、

「まだ若いのになー。」とか漠然と思うだけで正直そこまで大きくショックは受けなかった。

 

中学三年の夏が終わり、暑さがだんだん和らぎ始める頃、その人は死んだ。

 

病死だった。その人もまだ若かった。18歳。

 

幼かったので、色んなことははっきり覚えていない。出逢いは確か私が13か14歳だった。

子供だった私は、少しやんちゃなお兄さんたちに憧れがあった。二つ上の先輩でちょっと目立つような人達の中に、1人特別な雰囲気のある人がいた。なんだか凄く惹かれるというか、気になる人だった。いつも眼差しが寂しそうで、とても綺麗な顔をしていて、笑うとまだとても幼い。

でも出会うきっかけがあるわけでもなく一方的に見かけるだけだったのだが。

 

とある日、同級生の友達に理由は忘れたが全然知らない人の家に来るように頼まれた。怖々ピンポンを押すと玄関脇の小窓がガラッと開いて、「〇〇の友達?入って良いよ。」と明らかに年上の男の人に言われた。やっぱり知らない人。

何故自分がそこにいるのか、意味もわからないままとりあえず友達の名前は合っていたので中に入った。

 

どうやらやんちゃそうなお兄さんたちが冗談を言い合ってゲラゲラ笑っている。時折私に急に話を振って、反応を見てはまた大笑いしたりしていた。

 

結果、その人は気になっていた二つ上の先輩のお兄ちゃんだった。

理由はどうあれなんだか仲良くなって、気づいたら自分のお兄ちゃんのように慕える存在になっていた。気になっていた弟は?って感じだけど(笑)。

 

恋愛関係にはならなかったけど、今思うと男の人にしてもらうと女の子は嬉しくなったり好きになったりするような優しい行動を初めて体験させてくれた人だったように思う。本当のお兄ちゃんのようにただ私にとって優しい人だった。

 

彼を知っていくと、寂しさに私も負けそうになった。その人はお父さんをある日突然亡くしていたのだ。兄弟にとってお父さんはまさに追い抜かしたい男として尊敬する人だったようで、よく私にも生前の話を聞かせてくれた。でも話し終わるといつも、男の人がこんな寂しい顔をするの?って思う表情をした。胸が締め付けられて切な過ぎてどうして良いかわからなくて、とにかく抱きしめた。何もしてあげられなくてごめん。って思うしかできなかった。

 

兄弟揃って顔立ちも良く、冗談もひたすらいつも面白いのに、この2人の背負いきれない苦しさが滲み出るときは痛々しくて、寂しくて、切なくて、心をいつも支えてあげたかった。

 

ちょうど大人に成長していく時一番尊敬し、頼りにしていた存在を一瞬で無くして、もがいている最中…

実は病魔にも襲われていたのだ。

 

人の死2へ続く…。